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建築材料を知るーコンクリート,セメント,モルタル。(前編)

 

―コンクリート,セメント,モルタル。(前編)

 

春になりました。桜は散ってしまいましたが,

次のイベントとして,GWに海外旅行を計画して

楽しみにされている方々もきっと多いでしょう。

行くとしたら気軽に近場のアジア?南の島?それともヨーロッパ。

 

さて,建築の話です。

圧倒的な歴史的建造物を見るとしたらやっぱりヨーロッパでしょうか。

もちろん日本にも世界有数の歴史的木造建築である法隆寺など,

素晴らしい建造物はあります。

それはさておき,イタリアに旅行したことのおありの方は,

2000年もの時間を経てもなお建ち続ける巨大ローマ建築に舌を巻いた,

という経験をお持ちでしょう。

 

歴史的”RC”建造物。

有名なコロッセオ,という建造物があります。

その昔,グラディエーターたちが命を賭けて戦っていた場所です。

実際に行った事はなくとも写真などでその姿を見たことがおありでしょう。

 

ちなみに,当時の建築物の材料とはいったい何なのでしょうか?

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実は,なんと,あのローマのコロッセオは

 

「RC造」!!なのです。

 

。。。というのは冗談ですが,

ある意味で,古代建築と現代の建築物とは色んな共通点があります。

当時の建築材料はたとえば,石積み,レンガなども使われました。

しかし,ここで注目したいのはコロッセオが建設された際に使用された材料の一つが,

 

Roman Concrete(ローマン・コンクリート)

 

と呼ばれるものだったことです。

(なのである意味RC造,…無理がありますね)

コロッセオは現代建築と同じようにコンクリートが使用されていました。

下のパンテオン,というローマ建築の神殿も同じです。

その耐久性は,論より証拠です。

ローマンコンクリート製の建造物の寿命は百年,千年という単位で,

現代までその姿を保たせています。このローマ時代のコンクリートは,

現代のコンクリートの性能をはるかに凌駕するそうです。すごいですね。

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―コンクリートとセメントの関係。

古代ローマでは,ポンペイのエピソードからも分かりますが,火山はローマ帝国内でも身近だったのでしょうか,

火山灰,石灰,消石灰などを水や海水で溶いて混ぜたものが使用されました。

非常に大雑把に言うと,これがいわゆる“セメント”です。

残念ながら,ローマ時代の強固なセメントやコンクリートを作る“レシピ”は歴史の嵐の中に消えてしまったようで,

現代でも当時の夢の技術を再現しようと研究を進める専門家たちもいらっしゃるようです。

ちなみに,生成方法は異なるでしょうが,遠い昔,セメントのような建材はイスラエルのグスタフ,

エジプトのピラミッド,中国などでも使用されていたそうです。

 

―というわけで,現代のセメントは古代のローマ時代と生成方法などは異なるものです。

長い時代の変化と建築の歴史を経て,現代において使用されているセメントの主要なものは,

18世紀の産業革命の時代以降,特にイギリスで開発され特許を得たセメント作成技術によってできたものです。

ポルトランドセメントと呼ばれます。

イギリスのポートランドアイランドにある,ポートランド石に色が似ているからその名が付けられた,という説があります。

(※現代のセメントは他の種類のものも存在します。あくまで代表的なものです。)

 

現代のセメントの主な材料は「石灰石」です。

そしてそこに石膏や他の材料を加え,大きな窯で焼成し,「クリンカー」と呼ばれるものを作ります。

出来上がったものを粉砕して,粉末の「セメント」の完成です。

そして,セメントは水を加えることで一種の接着剤のような役目を果たします。

さらに,砂,砂利,などの“骨材”をそこに加えて“コンクリート”を作っていたわけです。

ローマ時代は砂や砂利,レンガやレンガのかけらなども骨材に使用しました。

セメントに骨材をまぜて建造物を造った,という手法はローマ時代も現代建築も同じなわけですね。

 

―さて,前編の結論です。

 

セメントはコンクリートの材料の一つです。

 

なので,セメント=コンクリートと思われている方がいらっしゃいますが,

建築用語の定義としては異なるものであるということです。

では,次回後編はセメントが泥や粘土のような状態からなぜ固体になるのか,

建材としてのセメント,モルタル,コンクリートの違いについてご説明します。

Posted by T.H.

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