マンション大規模修繕の費用が払えない場合の対処法!費用不足を避けるための対策
マンションの大規模修繕費用の支払いに不安を感じている方も少なくありません。
工事費用は建物規模によって数千万円から数億円に及ぶため、修繕積立金だけでは不足するケースも珍しくありません。
早めに対策を講じることで、大規模修繕費用の支払いに関する問題を回避できます。管理組合や専門家と協力し、適切な修繕計画を立てることが重要です。
この記事では、マンション大規模修繕の費用や支払いが困難な場合の対処法、費用不足を避けるための対策について解説します。
関連記事:マンション大規模修繕の費用相場|費用を抑える方法や払えないときの対処法
マンションの大規模修繕とは?
マンションの大規模修繕とは、老朽化した建物全体を補修し機能を維持するための修繕工事のことです。
一般的には12〜16年ごとに行われ、建物の資産価値を下げにくくする利点があります。
特に築年数が進むと、外壁や屋上の防水など、さまざまな箇所の補修が必要となるため、大規模な修繕工事が求められます。
必要な工事内容を早めに把握し、資金計画を立てておかないと、実施時期に費用不足が生じる恐れがあるため注意が必要です。
大規模修繕の必要性を理解した上で、管理組合や専門家と協力しながら進める姿勢が大切です。
マンション大規模修繕の費用相場
マンション大規模修繕の費用は、建物規模や工事内容によって数千万円から数億円と大きな幅があります。
例えば、100戸以上の大規模マンションなら1億5,000万円~2億円程度、50戸以下の中規模マンションなら3,000万円~8,000万円程度が目安です。
一方、小規模のマンションでは、1,000万円〜2,000万円程度と比較的低額で済むことも多い傾向にあります。
ただし、劣化の程度や工事範囲によっては追加費用が発生しやすく、積立金だけで不足しているケースもあるため注意が必要です。
修繕費を支払わなかった場合の流れ
マンション管理費や修繕積立金を支払わなかった場合、以下のような流れでトラブルにつながる可能性があります。
▼強制執行までの流れ
- 管理組合から支払いの督促を受ける
- 督促後も滞納が続くと、管理組合が法的手段を検討する
- 内容証明郵便による催告を受ける
- 簡易裁判所への申し立てを通じて強制的な差し押さえに進む
- 財産や給与を差し押さえられ、最終的には競売にかけられる
マンションの修繕費を支払わないと、一般的にこのような流れで強制執行まで進みます。
簡易裁判所への申し立てまで進むと強制執行が避けられないケースもあるため、全体の流れを把握しつつ、計画的に修繕積立金を準備しておく必要があります。
マンション大規模修繕の費用が払えない場合の対処法
修繕積立金の値上げなどを理由に、「マンション大規模修繕の費用が足りない」という場合もあるでしょう。ここでは、費用不足が明らかなときに検討すべき対策を6つ紹介します。
一時金を徴収する
一時金を集める方法は、不足分を直接補う手段として用いられます。居住者全員から追加で負担金を出してもらい、修繕費を確保する仕組みです。
居住者から一時金を徴収すれば、早急に不足分を補うことができます。
ただし、一括で支払う金額が大きくなる場合があり、居住者に重い負担をかける点は注意が必要です。居住者の合意形成がスムーズに進まないケースも考えられます。
導入する前に費用の算出根拠や具体的な負担割合を十分に説明し、無理のない範囲で合意を得る流れにすることが欠かせません。
不足分を借り入れる
金融機関から不足分を借り入れ、管理組合が定期的に返済する方法もあります。
支払いに余裕がないときには有力な手段となり得ますが、利息を含めて最終的な返済総額が増える点は覚悟しておかなければいけません。
また、不足分の借り入れを申し込む際には、事前に管理組合の総会で決議をとる必要があります。
借入条件や金利は金融機関ごとに異なるため、複数を比較して最適な契約を検討することが大切です。
返済負担の増加を避けるためにも、長期的な収支を見通した上で借り入れを決定しましょう。
工事内容を見直す
修繕費が足りない場合は、工事内容を見直すのも一つの方法です。工事全体を一度に実施せず、緊急度の高い箇所から優先的に補修を検討します。
必要最低限の工事にとどめることで、当面の出費を抑えることができるでしょう。
ただし、先送りにした部分が悪化すると、将来的に修繕費がさらに膨らむリスクがあります。
管理会社や専門家の意見を参考にし、建物全体の劣化状況を見極めた上で計画を修正するようにしましょう。
大規模修繕を延期する
やむを得ない場合は、工事時期を先延ばしにして資金を貯める選択肢もあります。
しかし劣化が進めば修繕箇所が広がり、将来的に大きな費用負担を強いられる可能性もあるため注意が必要です。
また、大規模修繕を延期することで、建物の安全性や快適性が失われるリスクもあります。
最低限の安全性を維持するためにも、延期すると決めても応急処置だけでも実施し、急激な傷みを防ぐ工夫が求められます。
延期期間中に、長期の資金計画を再構築しておくことが大切です。
管理会社に報告・相談する
費用が足りないと判明した段階で、管理会社へ相談し見積もりや借り入れ方法を検討するのは有効な方法です。
管理会社はマンションの実状を把握しているため、費用再試算や工事内容の再検討など適切な案を提示しやすい傾向にあります。
住民同士の意見調整に限界があるときにも、プロの視点を交えることで問題解決の糸口を探しやすくなるでしょう。
反対に、管理会社への相談を後回しにすると、さらに状況が悪化してからの修繕となり、費用の負担が増加する恐れがあります。
管理組合の意見を踏まえ、総会で話し合い、合意を得ることが理想的です。
売却を検討する
どうしても支払いが難しい場合は、マンションの売却を考えるのも一案です。
大規模修繕前の物件は買い手がつきにくい可能性があり、売却価格の下落が起こりやすい点が懸念です。
売却前には、ローン残債などの条件も踏まえ、どの程度の利益を確保できるかを計算する必要があります。
引っ越し費用や新居の確保など、生活面の変化も伴うため慎重に検討しましょう。
物件の売却は最終手段として検討し、他の対策と比較しながらメリットとデメリットを整理することがポイントです。
マンション大規模修繕の費用が払えなくなる主な理由
ここでは、費用不足が生じる大まかな原因を解説します。問題の根本を知ることで、早めに対策を打ちやすくなります。
設定している積立金額が低すぎる
管理組合が将来の工事費を正確に見積もらず、積立金を過小に設定しているケースです。
築年数に伴う劣化の進み方や物価上昇を考慮しないと、実際の工事費と大きな乖離が生まれてしまいます。
特に最初から低い積立額で始めた場合、急な値上げは住民の反発を招き、大規模修繕費が不足する事態になりかねません。
継続的に計画を見直し、必要に応じて段階的に積立金を増やしていくことが重要です。
適切な専門家のアドバイスも受けながら、将来的な工事費をしっかり予測する必要があります。
滞納者が増加している
積立金や管理費を支払わない居住者が一定数いると、総額が足りなくなる原因となります。
督促をしても滞納が続けば、住民間の不公平感が高まり、さらなるトラブルを招く可能性もあります。
管理組合は早期に滞納対策を行い、法的手続きを検討するなど適切な手段を講じなければ被害が拡大するため注意が必要です。
大規模修繕の時期が迫る前に滞納対策を講じるべきといえます。
設備にコストをかけすぎている
豪華な共用施設や多台数エレベーターなど、過剰な設備を抱えたマンションは修繕時の費用が高くなりやすい傾向にあります。
特殊な部材や専門的なメンテナンスが必要となり、結果的に大規模修繕の費用負担が増大してしまうのです。
日々の維持費を抑える工夫をしないと、将来の修繕段階で膨大な支払いに直面しかねません。設備の必要性を再検討し、余計な設備を省く取り組みも進めていきましょう。
入居者の数が少ない
空室や売却が相次ぐと、全体で負担すべき修繕費が十分に集まらない状態になります。
少数の区分所有者にコストが集中し、不満が高まると滞納の拡大や資金不足が深刻化する恐れがあります。
特に中古マンションで需要が低下すると、さらに空室率が上がり、悪循環に陥りやすいため注意が必要です。
また、マンションの価値を維持できず入居者が減ることで、修繕計画そのものが頓挫するリスクもあります。
空室対策や物件の魅力づくりに力を入れ、安定した入居率を保つ努力が必要です。
適切な修繕計画を立てていない
大規模修繕は長期的な資金計画に基づいて進める必要がありますが、計画が甘いと実施時期に多額の不足が生じやすくなります。
そもそも長期修繕計画を作成していない場合もあり、定期的な診断や専門家の見解を反映しないまま工事をスタートすると、追加補修がかさみ予算を超過しやすい傾向にあります。
また、管理組合の総会で計画について議論が不十分だと、急な支出に慌てて借り入れや一時金を徴収する事態になりかねません。
工事内容を正確に把握した上で、早期に修繕積立金の増額や費用の内訳を検討することが重要だといえます。
マンション大規模修繕の費用不足を避けるための対策
ここでは、大規模修繕に伴う資金不足を減らすための具体的な対策を4つ紹介します。
修繕費の目安を把握し事前に計画を立てる
まず、修繕費の目安を把握し、いつどの部分を補修するか大枠を決めることが大切です。
大規模修繕の費用は中央値だと7,600万円~8,700万円程度ですが、実際の費用は物件ごとに大きく異なるため、専門家の診断などを利用して正確な金額を確認しておきましょう。
築年数や規模に応じて費用の推移を試算した上で、管理組合と共有しておけば、急な負担増を回避しやすくなります。
また、事前に長期的な資金計画を立案し、その計画に沿って修繕積立金を用意することも大切です。
適正な積立金額を設定する
積立金の適正額を見誤ると、将来的に不足分が膨大になり、住民の負担が急激に増す恐れがあります。
築年数だけでなく設備の状態や地域の物価水準も考慮し、可能な範囲で積立金を高めに設定することが重要です。
無理のない範囲で徐々に引き上げるなど、計画的に進めれば住民の抵抗感を減らすことができるでしょう。
長期的視点をもって、定期的に積立金額を再検討する姿勢が欠かせません。
段階的増額積立方式・均等積立方式
積立金の方式として、段階的増額積立方式と均等積立方式の二種類が挙げられます。
段階的増額方式は、築初期の負担を抑え、年数が進むにつれて徐々に積立を増やすやり方です。均等積立方式は、毎月の額を一定にして長期間で安定的に積み立てる方法です。
各マンションの事情や住民の意向によって、どちらの方式が適するかは異なるため、シミュレーションや話し合いが必須です。
納得できる仕組みを導入できれば、大幅な増額に対する抵抗を減らし、計画的な工事を実現しやすくなります。
節約できる費用がないか考える
日常的に発生する費用を見直せば、修繕積立に回せる余裕が生まれる可能性があります。
例えば、清掃や警備などの業務を適切な水準に調整したり、不要な設備投資を減らしたりなどの努力が挙げられます。
管理費や共用部の電気代など、細かな支出を洗い出して削減することで、住民の負担を大きく増やすことなく積立金を確保できるでしょう。
ただし、過度な節約は居住性や安全性を損なうため、バランスを考慮した上で決定することが求められます。
まとめ
この記事では、マンション大規模修繕の費用や支払いができない場合の対処法、費用不足を防ぐための対策について解説しました。
大規模修繕は100戸以上のマンションで1億5,000万円~2億円程度、50戸以下で3,000万円~8,000万円程度かかる大掛かりな工事です。
費用不足時は一時金徴収や借り入れ、工事内容の見直しなど、状況に応じた対処が必要となります。
また、費用不足を避けるためには、早期からの適切な積立金設定と修繕計画の立案が不可欠です。
段階的増額方式や均等積立方式など、マンションの状況に合わせた積立方式を選択することも重要です。
Takaoプランニングでは、建物の外壁調査において、赤外線調査やドローン調査、ロープ打診調査など幅広い調査方法を提供しています。また調査後の補修工事もロープアクセス工法により無足場でおこなう事が可能です。
オフィスビル・集合住宅・病院・ホテル・学校など、さまざまな建物に対する調査・診断の豊富な実績があり、現地調査から報告書作成まで一括して対応しています。
特定建築物定期報告における外壁調査にも対応しており、希望や予算に応じて調査方法を選択できる点も特徴です。お見積りは無料で行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。