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マンションのタイル浮きは裁判にまで発展する?施工不良による訴訟事例

2025.03.25

マンションのタイル浮きは裁判にまで発展する?施工不良による訴訟事例

マンションの外壁タイルの浮きは、建物の安全性や美観を損なうだけでなく、管理組合にとって大きな負担となる問題です。

放置すれば、タイルの剥落事故や補修コストの増大につながる恐れがあります。

タイル浮きの原因が施工不良である場合、売主や施工会社の責任を追及することができますが、時間の経過とともに困難になります。

実際に、タイル浮きをめぐって裁判に発展するケースも多く報告されています。

この記事では、タイル浮きが裁判になるリスクや施工者の責任、タイル浮きの調査方法について詳しく解説します。

マンションのタイル浮きは裁判にまで発展する?

マンションのタイル浮きは裁判にまで発展する?

マンションの外壁タイルに浮きや剥離が生じると、建物の安全性や美観が損なわれるだけでなく、管理組合にとって大きな負担となります。

施工不良が原因の場合、売主や施工会社の責任を問うことができますが、経年劣化との判別が難しいケースも少なくありません。

タイル浮きの発生から時間が経過している場合、責任追及が困難となり、管理組合と売主・施工会社の見解の相違から裁判に発展する恐れもあります。

実際に、タイル浮きが原因で訴訟に至ったケースも報告されており、管理組合にとって大きな負担となっています。

このような事態を避けるためにも、タイル浮きの兆候を見逃さず、早期発見・早期対処に努めることが重要です。

また、必要に応じて専門家の意見を仰ぎ、適切な対応を図ることも検討しましょう。

タイル浮きに対する施工者の責任

タイル浮きに対する施工者の責任

マンションの外壁タイルに施工不良による浮きや剥離が発生した場合、施工者の責任を追及することができます。

ただし、その期間には制限があり、時間の経過とともに責任追及が難しくなっていきます。そのため、定期的な調査によるタイル浮きの早期発見が重要なポイントとなるのです。

ここでは、タイル浮きに対する施工者の責任について、期間ごとに詳しく解説します。

年数 責任 内容
5年以内 アフターサービス 引き渡し後5年以内に浮きが判明すれば、保証書などに基づいて施工者の無償補修を受けられる場合が多い
10年目まで 瑕疵担保責任(契約不適合責任) アフターサービス終了後でも、引き渡しから10年以内なら瑕疵担保責任を追及できる
20年目まで 不法行為責任 10年を過ぎても20年以内なら、不法行為責任を追及できる可能性がある
20年超え 法的責任の追及は困難 20年以上経過した建物は瑕疵担保責任や不法行為責任の時効が絡み、施工者に補修費を求めるのはほぼ不可能

5年以内:アフターサービス

マンションの引き渡しから5年以内に外壁タイルの浮きが発見された場合、多くは施工者のアフターサービスで無償の補修が受けられます。

この期間は、施工者と管理組合の間で交わされる品質保証書などで定められているのが一般的です。

アフターサービス期間内であれば、施工不良の証明が不要で、比較的スムーズに補修を受けられるでしょう

ただし、アフターサービスの対象や範囲は、契約内容によって異なります。あらかじめ品質保証書などの内容を確認しておくことが大切です。

10年目まで:瑕疵担保責任

アフターサービス期間が過ぎ、引き渡しから10年以内に外壁タイルの浮きが見つかった場合は、瑕疵担保責任(現在は契約不適合責任)で施工者に補修を求めることができます

瑕疵担保責任とは、建物の引き渡し時に存在した隠れた瑕疵について、施工者が一定期間その責任を負うという民法上の規定のことです。

ただし、瑕疵担保責任を問うためには、タイル浮きの原因が施工不良であることを管理組合側が立証する必要があります。

経年劣化との線引きが難しいケースでは、責任追及が困難になることも考えられます。

20年目まで:不法行為責任

引き渡しから10年が経過し、20年以内にタイル浮きが発見された場合でも、不法行為責任で施工者に補修費用を請求できる可能性があります

不法行為責任は、故意または過失によって他人の権利を侵害した者が、その損害を賠償する義務を負うという民法の規定に基づくものです。

ただし、タイル浮きが施工者の故意または過失によるものであることを管理組合側で立証しなければなりません。

また、20年が経過すると、施工不良と経年劣化の判別はさらに難しくなります。過失の立証責任は管理組合側にあるため、責任追及には困難が伴うことが予想されます。

加えて、施工者に不法行為責任を訴えたとしても、20年近くが経っているため「時効」を主張される可能性も捨てきれません。

これらの点を踏まえて、不法行為責任の追及を検討する必要があります。

20年超え:法的責任を問うのは困難

マンションの引き渡しから20年を超えて外壁タイルの浮きが発見された場合、施工者の法的責任を問うことは極めて困難です。

民法上の瑕疵担保責任は10年、不法行為責任の時効は20年とされているためです。

このような場合、たとえタイル浮きの原因が施工不良だったとしても、施工者に補修費用を求めることはほぼ不可能といえるでしょう。

補修の費用負担は、管理組合が負わなければならなくなります。長期修繕計画における見直しや、修繕積立金の増額などの対応を検討する必要があります。

タイル浮きの瑕疵責任に関する裁判

タイル浮きの瑕疵責任に関する裁判

外壁タイルの浮きの瑕疵責任について、実際に裁判で争われたケースを紹介します。判決の内容から、施工者の責任が問われるポイントが明らかになります。

2011年7月21日:最高裁の判例

2011年7月21日の最高裁判決では、重要な判断基準が示されました。

最高裁は、「建物の構造耐力に関わらない瑕疵であっても、外壁の剥落による通行人への危険や、建物利用者の安全が脅かされる場合には、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当する」との考えを示したのです。

つまり、外壁タイルの浮きが、単なる美観の問題にとどまらず、安全性に関わる問題であると認められれば、施工者の瑕疵担保責任が問われ得ることになります。

ただし、そこには施工者の故意または過失があったことが条件となります。タイルの浮き率などから、その立証が求められるでしょう。

2018年2月14日:大阪地方裁判所の判決

2018年2月14日の大阪地方裁判所の判決では、築5年8か月の事務所ビルで発生した大量のタイル浮きが問題となりました。

裁判所は、被告施工者が生じさせたタイルの浮き率を7.4%と認定しました。

そして、浮きの発生原因を特定できなくとも、浮き率の高さから施工不良があったと推認し、施工者の過失は重大であるとして損害賠償を命じたのです。

このケースは、タイルの浮きの原因特定が難しくても、施工者の責任を問うことができる先例といえます。

今後、同様の判断が広がれば、タイル浮きの瑕疵をめぐる紛争解決の道が開かれていくことになるでしょう。

外壁タイルの浮き率の基準

外壁タイルの浮き率の基準

外壁タイルの浮きについて、どの程度の浮き率なら施工不良といえるのでしょうか。

BELCA(ロングライフビル推進協会)の浮き率の基準では、築年数×0.6%の浮きが目安とされています。

例えば、築5年の建物なら3%、築10年の建物なら6%の浮き率を上回ると、施工に問題があると考えられます。

また、マンション管理業協会の基準では築年数×0.48%とされている他、大阪民事実務研究会「外壁タイルの瑕疵と施工者の責任 髙嶋 卓 大阪地方裁判所判事」では以下の基準が公表されました。

施工後の期間 浮き・剥落の割合
5年以内 0%以上
5年超10年以内 3%以上
10年超15年以内 5%以上
15年超20年以内 10%以上

出典:大阪民事実務研究会「外壁タイルの瑕疵と施工者の責任 髙嶋 卓 大阪地方裁判所判事」

これらの基準を参考にすれば、施工不良が原因の浮き・剥落を判断することができます。

ただし、これらの数値はあくまで目安にすぎません。実際の判断は、建物の置かれた状況等を総合的に考慮する必要があります。

とはいえ、タイルの浮き率の高さは、施工不良を立証する有力な根拠になり得ます。浮き率の基準を念頭に、外壁タイルの状態には常に注意を払っておくことが大切です。

定期的な点検を実施し、早期の段階で異常を発見できれば、大きなトラブルに発展する前に対処することが可能となります。

外壁タイルの瑕疵を放置すると大変な事態に

外壁タイルの瑕疵を放置すると大変な事態に

外壁タイルの浮きや剥離といった瑕疵は、放置すれば大きな問題につながります。

まず、タイルの浮きが進行すれば、やがてタイルが剥落し、通行人に怪我を負わせる危険があります

万が一、タイルの落下により人身事故が発生すれば、管理組合の責任が問われることになるでしょう。

また、タイルの浮きは建物の美観を大きく損ねる要因にもなります。外観の悪化は、マンションの資産価値の低下につながりかねません。

タイルの浮きを放置することで、補修コストが増大していくことも問題です。早期発見・早期対処を怠れば、大規模な改修工事が必要となり、多額の出費を強いられる恐れがあります。

そして、タイルの浮きが施工不良に起因する場合、放置すれば施工者の責任を問える時期を逸してしまいます。

適切な時期に、十分な調査を行い、必要な対応を取ることが重要なのです。

外壁タイルの瑕疵は、管理組合の財政や法的責任に関わる重大な問題であると認識しておく必要があります。

疑わしい兆候があれば、早急に専門家による調査を実施し、適切な対処を図ることが求められます。

タイル浮きを調査する方法

タイル浮きを調査する方法

外壁タイルの浮きを調査するには、いくつかの方法があります。ここでは、代表的な調査方法を2つ紹介します。

調査方法 特徴
打診調査 打診棒などで外壁を軽く叩き、音の変化から浮きを特定する手法
赤外線調査 赤外線カメラで表面温度差を視覚化し、浮いている箇所を非接触で検出する調査方法

打診調査

打診調査は、タイル面を軽く叩いて音の変化からタイルの浮きを検出する方法です。

専用の打診棒や金槌を使い、タイルを丁寧に一枚ずつ叩いていきます。健全なタイルは高い音を発しますが、浮いているタイルは濁った低い音を発するため、浮きの有無を判定できるのです。

打診調査は、ロープアクセス工法を用いれば比較的安価で実施できますが、仮設足場やゴンドラを使用する場合、コストが大きくかさむ可能性があります。

また、経験の少ない調査員が行うと、誤認の恐れもあるため、熟練した調査員に依頼することがポイントです。

赤外線調査

赤外線調査は、赤外線カメラを用いてタイル表面の温度分布を測定し、浮きの有無を判定する方法です。足場を設置せずに行えるため、高所での作業リスクを回避できます。

また、仮設足場を設置する打診調査よりもコストを抑えやすく、広範囲を短時間で調べられるというメリットもあります。

さらには赤外線カメラ搭載のドローンを使用すれば、足場を組まずに高層階まで短時間で調査することが可能です。

ただし、天候や時間帯によって、温度差が生じにくいこともあります。可能な限り条件の良い状況で実施するとともに、地上からは打診調査を行うなど打診調査と組み合わせることが望ましいでしょう。

まとめ 

この記事では、マンションの外壁タイル浮きをめぐる裁判や施工者の責任、タイル浮きの調査方法について解説しました。

タイル浮きは放置すれば、事故やコスト増大、資産価値の低下などにつながる重大な問題です。施工不良が原因の場合、時間の経過とともに施工者の責任追及が難しくなります。

タイル浮きの瑕疵責任に関する裁判は過去に複数件発生しています。タイル浮きの兆候を見逃さず、早期に専門家の調査を実施することが重要です。

Takaoプランニングでは、赤外線調査や打診調査など、建物の状況に適した手法でタイル浮きの調査及び調査で確認できた劣化に対しての補修を行っています。

特定建築物定期報告や補修目的の外壁調査にも対応し、現地調査から報告書作成まで一貫して行います。

タイル浮きの調査や補修でお悩みの際は、ぜひTakaoプランニングにご相談ください。

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