大規模修繕の工事費が高騰している理由とは?資材不足と世界情勢の影響が今後も続くのか。
近年、マンションの大規模修繕や外壁補修工事において、
「以前より見積もりが高い」「予定していた修繕積立金では収まらない」と感じられる管理組合様が増えています。
実際に、建築業界では資材価格の高騰や人手不足が続いており、
さらに現在は世界情勢の影響により、
補修の際に使用する材料の供給自体が不安定な状況となっています。
(材料自体の金額も上がっています)
なぜ工事費が上昇しているのか、そして今後どう考えるべきかを解説します。
■ 建築資材が高騰している3つの理由
① 資材価格の上昇
鉄やアルミ、樹脂系材料(防水・シーリング材)など、
多くの建築資材がここ数年で大幅に値上がりしています。
特に外壁補修で使用する材料は輸入に依存するものも多く、円安の影響を直接受けやすい状況です。
② 職人不足による人件費の上昇
建設業界では慢性的な人手不足が続いています。
とくに若い方の入職が少ない一方で、ベテラン職人の引退が進んでおり、
結果として人手不足となり人件費が上昇しています。
これからはさらに生成AIから、自律的にタスクをこなす「AIエージェント」も進みますが
ブルーカラーの需要はますます高まると予想されます。
③ 世界情勢(戦争)の影響
現在(2026年4月~)の世界情勢により、資材の供給ルートに影響が出ています。
- 原材料の輸出規制
- 輸送コストの上昇
- 納期の長期化
これにより
「価格が上がるだけでなく、そもそも手に入りにくい」状態になっています。
■ では実際どれくらい工事費は上がっているのか?
一般的に、ここ数年での上昇幅は
- 小規模補修:約15〜25%増
- 大規模修繕:約20〜35%増
- 条件によっては:40%以上のケースも
これは一時的ではなく、
今後も継続する可能性が高いと考えられています。
■ 今後の大規模修繕で重要な考え方
「全部やる」から「必要な工事だけやる」へ
これまでの大規模修繕は仮設足場を設置して屋上防水、外壁補修等
一律で全体改修を行うケースが一般的でした。
しかし現在は
- コスト上昇
- 修繕積立金不足
の影響により、
近年の大規模修繕工事では、
「すべてを一度に直す」のではなく、
劣化診断を行い、本当に必要な工事だけを選ぶことが重要になっています。
■ 1回目の大規模修繕でも劣化は一律ではない
一般的に、1回目の大規模修繕工事は
竣工後12〜15年で実施されることが多いですが、
実際には建物の部材ごとに劣化の進行は異なります。
例えば、
- 屋上のアスファルト防水
→ 約17年前後の耐久性があるとされる - パラペット(立ち上がり部)のウレタン塗装
→ 防水よりも先に劣化するケースが多い
このように、同じ場所でも寿命はバラバラです。
■ 外壁も「すぐ塗る必要がある」とは限らない
外壁塗装についても、
- クラック(ひび割れ)がない
- チョーキング(白い粉化)が少ない
といった状態であれば、
無理に塗り替えを行う必要はなく、経過観察という判断も可能です。
■ 優先すべきは「危険性のある劣化」
- タイルの浮き
- シーリングの著しい劣化
などは、落下や漏水リスクに直結するため、
優先的に補修すべき重要な劣化です。
このような場合は、
タイル・シーリングのみ補修
その他は経過観察
という判断が合理的です。
■ 定期的な診断で無駄な工事を防ぐ
すべてを一度に直すのではなく、
- 必要な部分だけ補修
- その他は5年ごと程度に目視点検
とすることで、
劣化の進行に合わせた最適なタイミングで修繕が可能になります。
■ 将来の修繕費はさらに大きくなる
例えば30歳でマンションを購入した場合、
- 第2回(約25〜30年後)
- 第3回(約40〜50年後)
の大規模修繕では、
1回目よりも大きな費用がかかるケースが一般的です。
さらに今後は、
- 物価上昇
- 人件費の高騰
- 資材不足
などにより、修繕費の増加も懸念されています。
計画通りに一律で修繕を行うのではなく、
現状の劣化を正しく診断し劣化が進行している必要な工事だけ補修をする
この判断を行うことで、
修繕積立金を無駄なく、有効に活用することが可能になります
■ 弊社の取り組み
当社では
- ロープアクセス工法による事前調査
- ロープアクセス工法(足場不要)による外壁補修(主にタイルやシーリング工事)
- 劣化状況に応じた最適設計
により、
必要な工事を選定、優先順位をつける事で全体コストを抑えるご提案を行っています。
現在の建設業界は
- 資材価格の高騰
- 人手不足
- 世界情勢の影響
により、この数年は特に工事費は上昇傾向にあります。
しかしその中でも
適切な事前調査と設計によって、コストを抑えれるようにご提案させて頂きます。
修繕積立金をなるべく抑えながら、二回目、三回目の大規模修繕も見据え、
“もし自分が住んでいるマンションだったらどう考えるか”という視点で、
私たち従業員一同が真剣に向き合い、ご提案させていただきます。



