1. トップページ
  2. 安全性の高いロープアクセス工法とは?特徴やメリット・デメリットを紹介 - Takaoプランニング株式会社

安全性の高いロープアクセス工法とは?特徴やメリット・デメリットを紹介

2024.03.25

安全性の高いロープアクセス工法とは?特徴やメリット・デメリットを紹介

ロープアクセスは高所作業における工法の一つで、工期の短さやコストの安さで注目されています。

ロープに吊られながら作業を行うため、一見すると危険に感じるかもしれません。しかし、安全な工法として世界的にも取り入れられており、厳格な規格も設けられています。

この記事では、ロープアクセス工法の特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。

ロープアクセス工法とは

ロープアクセス工法

ロープアクセス工法は、足場を使わない無足場工法の一つです。ここでは、ロープアクセス工法について詳しく解説します。

国際的な安全規格に基づいた工法

ロープアクセス工法とは、国際的な安全規格のもと足場を設置せずに産業用ロープを使って外壁の点検や調査などを行う技術のことです。

ロープアクセスのベースとなっているのは、洞窟探検用に欧米で発展した「SRT技術」で、横移動はもちろん上下移動もできます。
安全性を高めるために、2本のロープとアンカーポイントを使用する「2ロープ・2アンカー」という規則があるのも特徴です。

2ロープ・2アンカーでは、メインロープとライフラインをそれぞれ異なる堅固な支持物に固定しなければなりません。
この規則により、メインロープが摩耗で切れた際にももう1本のロープで落下を防げるようになっています。ロープアクセス工法は規格がしっかりしているため、管理を怠らなければ安全性の高い工法です。

ブランコ工法との違い

ロープアクセス工法とブランコ工法の違いは安全性です。
ブランコ工法とは、足場を設けない無足場工法の一つで、建物の屋上から垂らしたロープを利用してブランコに座りながら作業を行います。ロープアクセス工法と同じく、ロープやアンカーを使って外壁の点検や調査を行う工法です。

しかし、ブランコ工法には厳格な規格が設けられておらず専用の道具もありません。使用するロープも産業用のものとは限らず、業者によってルールが異なります。ブランコ工法はロープアクセス工法が普及する前からありましたが、安全性の問題から対応していない業者もあります。ただし、ロープアクセス工法と同じくらいの安全対策を行っている業者もあるため、一概に危険とはいえません。

ゴンドラ工法との違い

ロープアクセス工法とゴンドラ工法の違いはゴンドラの有無です。
ゴンドラ工法とは、足場を必要としない無足場工法の一つで、屋上からワイヤーロープでつり下げたゴンドラを電動で上下・左右に移動させて作業を行います。
ゴンドラに乗って作業を行うため、ロープアクセスに比べると安定しやすく広範囲の作業に向いている工法です。

一方で、作業できるスペースがゴンドラの場所や範囲となり、移動するためにはゴンドラを動かしてもらう必要があります。そのため、ロープアクセスに比べると機動性が低いことがデメリットです。

ロープアクセス工法が活用されるシーン

ロープアクセス工法

ロープアクセスは大がかりな足場の設置が不要であり、さらには機動性が高いためさまざまなシーンで役立ちます。ここでは、ロープアクセス工法が活用されるシーンを紹介します。

足場が設置できない場所の点検・修理・調査

ロープアクセス工法は足場を必要としないため、足場が設置できない場所の点検・修理・調査などに最適です。足場が組めないケースとして、以下のようなケースが想定されます。

  • 隣の建物との距離が近い
  • 近隣の了承を得られない
  • 足場が組めない形をしている

足場を組むためには最低でも70cm以上の幅は確保したいところです。また、足場を組む場合は敷地をまたぐケースも多く、近隣の了承を得られない場合は作業ができません。

このような状況でも、人が入れるスペースとロープを固定できる場所さえあれば、ロープアクセス工法で作業ができます。

緊急対応が必要なケース

ロープアクセス工法は、修理や点検などで緊急対応が必要になった場合に足場を組むよりもスピーディーに対応できます。
足場は、2~3人の作業員で組んでも約1日はかかるのが一般的です。

さらに、10m以上の高さとなり解体までの日数が60日以上になる場合は、工事を開始する30日前に労働基準監督署長への届け出が義務付けられています。
足場を組むためにはさまざまな手続きが必要となるため、緊急対応が必要でもすぐに工事に取りかかれるとは限りません。

ロープアクセスは、作業員とロープ、道具があれば届け出を行わなくてもすぐに作業ができます。緊急対応が必要な場合でも、高い機動力が活かせるでしょう。

ピンポイントで修理したい場合

ロープアクセス工法は、1箇所や数箇所のようにピンポイントで修理したいときにも最適です。
全体に足場を組むよりも工事費用・工事期間ともに少なくでき、クオリティを落とさずに作業ができます。

また、ピンポイントな対応ができることで、「せっかく足場を組んで高いお金を払うなら、他のところも修繕しておこう」のようなムダが生じる「ついで施工」を防ぐことも可能です。

ロープアクセス工法なら必要な工事だけを厳選して選べるため、建物の劣化が広がる前に早めの対応ができるメリットもあります。

ロープアクセス工法のメリット

ロープアクセス工法

無足場工法の認知度があがったこともあり、ロープアクセス工法を選ぶ人が増えています。ここでは、ロープアクセス工法のメリットを紹介します。

コストが抑えられる

ロープアクセス工法のメリットは、足場を組む必要がないため点検や調査にかかるコストを大幅に減らせることです。足場には、材料を運ぶ運搬費や施工費、解体費がかかり、トータルで数十万円以上の費用がかかります。さらに、高所や難所での作業には橋梁点検車や高所作業車などを手配する費用も必要です。

大規模修繕や全面改修のように足場を組むことで効率よく作業が進むケースもありますが、部分修理や点検のような軽作業のために足場を組むとコストパフォーマンスは下がります。費用をできるだけ抑えたい方に、ロープアクセス工法は最適です。

作業中の外観への影響が少ない

ロープアクセス工法はロープのみを使用して工事を行うため、建物が足場に囲まれる場合と違い、外観への影響が少ないこともメリットの一つです。
特に商業施設だと足場があることで出入口が分かりにくかったり、お店の存在が分からずに利用者が減ってしまう可能性もあります。

ロープアクセス工法なら作業員とロープだけとなるため、普段と変わらない外観での営業が可能です。

高層建築物に対応できる

ロープアクセス工法は高層建築物にも対応可能であり、上層階の部分修理や点検だけ行うこともできます。

しかし、高層階になるほど風は強くなるため、気象条件によっては工事ができません。また、作業ができる程度の風であっても、ロープに吊られながらの作業は難易度が高まるため、作業員に要求される経験やスキルも高くなります。
高層建築物でロープアクセス工法を行う場合は、信頼できて実績がある業者を選ぶことも重要です。

また、高層建築物の場合は数階ごとに、もしくは数mごとにアンカーを設置して作業を行う場合もあります。吊り元の確保ができない場合はアンカーの打設を行うケースもあるため、気になる場合は事前に確認しておきましょう。

迅速に対応できる

ロープアクセス工法は上下左右前後に自由自在に移動するために開発された技術であり、どのような場所でも安全で迅速に対応できます。

足場の設置や交通規制なども必要なく、作業者は迅速に作業を開始できるのも特徴です。また、短時間で作業が終了すると人件費を抑えやすく、日程調整もしやすくなるメリットもあります。

ロープアクセス工法の注意点

ロープアクセス工法

ロープアクセス工法には魅力が多くありますが、一方で注意点もあります。ここでは、ロープアクセス工法を選ぶうえで気をつけるポイントを紹介します。

安全面での対策が必要となる

ロープアクセス工法の注意点は安全面での対策が必要で、誰でもできる工法ではありません。
平成28年の労働安全衛生法により、ロープアクセスで作業を行う際にはメインロープ以外にライフラインの設置が必要となりました。

また、ロープアクセス工法を行う従業員には下記のような教育や指導を行うことも義務づけられています。

  • ロープ高所作業に関する知識
  • ロープ高所作業の方法
  • メインロープ等の点検

さらに、作業を行うときは事前に作業箇所やメインロープ・ライフラインを緊結するための支持物の位置や状態をチェックし、切断の恐れのある箇所の有無や位置を細かく確認しなければなりません。
細かくルールが定められている分、ロープアクセス工法を取り入れている業者や従業員の負担は多くなりますが、作業の安全性は高くなります。

統計によって安全性が証明されている

ロープアクセス工法はIRATA(産業ロープアクセス業者協会)で安全性が証明されています。
IRATAはロープアクセス技術の安全な運用と無事故を目的として設立された機関であり、ロープアクセス技術者の資質向上や技術開発などを行っている団体です。

イギリス安全衛生庁が監修して誕生した世界最大の団体で、統計も行っています。

過去の事例

ロープアクセスは危険と感じる方もいるかもしれませんが、足場を組み立てる作業に比べて事故件数は圧倒的に少ないです。
IRATAの統計では19年間の平均事故発生率は10万作業に対して2.55%と低く、さらに19年間死亡事故0件という記録があります。

しかし、ロープを使った作業で安全性が高いのはロープアクセス工法であり、ブランコ工法では落下による死亡事故も発生しています。

工事できない作業場所もある

ロープアクセス工法は、ロープの吊り元がないと行うことができません。
建物の形状が特殊な場合や、丸環や架台などの支点がないと作業が難しいケースもありますが、アンカーを打ち込んだり、さまざまな器具を用いて支点が作れることもあります。

また、ロープアクセス工法は足場を組む場合に比べると少ないスペースで作業可能ですが、人が通って作業できるだけの場所は必要です。
実際にロープアクセス工法で作業ができるかどうかは、現場の状況や業者によっても異なります。工事が可能かどうかを調べたい場合は、ロープアクセス工法を行っている業者に相談しましょう。

できる業者が限られる

ロープアクセス工法は、ブランコ工法やゴンドラ工法に比べると新しいため、施工できる業者が限られるデメリットがあります。
外壁点検や調査をロープアクセス工法でしようと思っても、対応している業者がなければ他の選択肢しかありません。

それに加えて、高度で特殊な工法を用いているため、対応している業者があったとしても技術力で不安に感じることもあるでしょう。
作業員の経験値が少ないと工事が遅れたり、トラブルが発生するリスクも高まります。

足場を組む場合と違って工事個所を直接見ることが難しいため、作業員が質の低い作業をしても気づかない可能性があります。
安心して依頼するためにも、実績があり信頼できる業者を選びましょう。

まとめ

この記事では、ロープアクセス工法の仕組みやメリット・デメリットを紹介しました。

ロープアクセス工法は機敏性に優れており、工期を短くしてコストを大幅に減らせるメリットがあります。足場を組む場合と違って景観が維持できるため、商業施設や店舗で作業を行う場合にもおすすめです。一方で、ロープアクセス工法は高い技術を必要とする工法となり、対応している業者は多くありません。お住まいの地域によっては選択できない可能性もあります。

Takaoプランニングはロープアクセス工法を用いた外壁調査を行っており、現地調査から報告書作成まで対応可能です。2009年に創業して以来、オフィスビル・集合住宅・病院・ホテル・学校など数多くの建物に対して診断や調査を行ってきました。

ロープ以外にもドローンや赤外線調査にも対応しており、ご希望や予算に応じて選べます。お見積りは無料で行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

お見積もりは無料です。

国際標準化機構(ISO)18436-7
世界標準の赤外線技術資格の元、赤外線カメラを扱っております。

大阪本社 TEL.06-6444-0800

東京事務所TEL.03-3556-2307

営業時間 9:00~18:00(土・日・祝除く)