「トッケンのテイキホウコク」 とは??
トッケン?
何の言葉の略でしょう?
どこに何を報告するんでしょうか?
よく分からないし,自分には関係ない。
そう感じるかもしれません。
でも,今この記事を読んで下さっている方は,
例外なく 誰でも 必ず,恩恵を受けている制度です。
「ビルのタイルが剥がれて落ちてくる事故の予防策」。
こう言い換えると,ぐっと自分との距離が近くなった気がしませんか?
次のような場面を想像してみてください。
「今日は久しぶりに街で買い物を楽しんだ。買ってきた服いつ着ようかな,なんてことを考えながら通いなれたいつもの道を帰る」。
「―ものすごい音がした」。
「危なかった。空から大量のガレキが。さっき靴ひもがほどけて結び直すのに立ち止まらなかったら,今頃は…」。
下手な小説みたいな文章で申し訳ありません。が…
このような事故は誰の身にも起こりえることです。
自分が巻き込まれてしまったらと考えると,
決して他人事ではありませんね。
ちなみに,
「特殊建築物の定期報告制度」
についてもう少し詳しく解説すると…
まず「トッケン」とは“特殊建築物”の略です。
細かい定義はここでは触れませんが,多数の人が出入りする映画館,マンションや病院などが例として挙げられます。
先ほどの場面は完全な作り話ですが,外壁事故はあちこちで,しかも毎年起きています。
1989年には悲しいことに死者も出ています。
それで,2008年以降,外壁の仕上材(外壁タイルなど)のはく落による事故を防ぐことができるよう,
対象になるビルやマンションは定期的に状態をチェックして報告しなさい,という点が法律で義務付けられました。
これが「特殊建築物の定期報告制度」です。
(※定期報告には設備や昇降機など,外壁以外の項目もあります)。
さて,ここまで説明を加えたらやっと,なんとなくの専門用語の意味や,
何よりも外壁調査って身近で大切なことだ,と業界外のお客様にもご理解いただけたのではないでしょうか。
どの分野でもいえることですが,
内部の人であれば当たり前に持っている知識でも,一般の人たちにはそうでないことは沢山あります。
社内では普通に「トッケン」をはじめとした専門用語が飛び交いますが,
本稿を書く自分も入社当初は恥ずかしながらも理解できないものばかりでした。
そのようなわけで,このブログでは,
建築建設業界やビルメンテナンスに従事する方々はもちろんのこと,
外壁大規模修繕を考えるマンション管理組合の方,
ある中古物件を購入したいが建物の状態を気にしている新婚夫婦の方々,…といった,
一般のお客様でもわかりやすい情報発信ができればと考えています。
・調査に行ったら実際にあった危ない!事例集。
・建物の調査や関連した専門の言葉を分かりやすく。専門用語の解説記事。
・ケンチク業界時事ネタ,よもやま話について
…など,これからちょっとずつアップしていく予定です。
弊社もまだまだ経験を積み学んでいかねばなりません。
ここに積み重ねたものが,Takaoプランニングの成長の記録となり,
またそれらが依頼をいただくお客様のみならず,HPを訪れてくださった皆様に役立つデータベースとなれば幸いです。
Posted by T.H.