外壁タイル剥落の危険性が懸念される建物の外壁調査について
外壁調査を行う目的として主に
「特定建築物定期報告」による定期点検
「大規模修繕の予算取り」の為の劣化状況を把握する為の点検
とが挙げられます。
選ぶ調査方法としては
定期報告の為→危険な箇所が無いか知りたいが、とにかく安く抑えたい→赤外線調査
大規模修繕の予算取り→どれほど修繕対象の損傷があるか知りたいのでできるだけ正確に→打診調査(ロープアクセス、高所作業車等)
といった具合に選定して調査に進んでいきます。
目的がどちらにせよ、建物の状態が酷く既に数か所広めの範囲の外壁タイルが剥落しているような状態の建物が時々あるのですが、過去数回調査を中止したことがありました。
中止とした基準としては「建物周辺の人通りが多い」ことです。
赤外線調査(地上からやドローン)の際は建物から離れた位置で撮影するので調査員事態に危険性はないのですが、打診調査になると調査中にタイルが落ちると調査員にも危険が及びます。
また、打診した影響やロープアクセス工法にて降下中に身体の一部がタイルに触れて落ちるなど近くを通行している人にも危険が及ぶ可能性があります。
そういった状況の中で調査を中止させていただいた事例がいくつかありました。
剥落したタイルが通行人に当たらないように安全対策を行った上で調査をすることは可能なのですが、そういった際は緊急補修も行いながら調査が出来るゴンドラ等での方法をお勧めします。
鋼製朝顔(落下物防止の安全対策)を行った上で、調査と緊急的な補修を行うことで第3者への被害の可能性が確実に小さくなります。
ロープアクセス工法や赤外線調査での調査に比べると、コストは格段に上がってしまいますが最終的に第3者への被害が及ぶ、または調査費と補修費が重なることに比べればどちらが良いかは一目瞭然かと思います。
まずは調査をして、補修の予算取りを・・という流れがもちろん理想なのですが、建物の状況によっては
緊急的な補修が必要な箇所を探し、補修を行いながら全体的な調査を行う
という選択も視野に入れていただく必要があるかと思います。